思いは巡る。
1年半以上放置のブログで久々の更新です。
やはり自分の心の記録の為にも時々は書かないとなぁと。
12/8をもって終了した今回の展示は猫カフェでの展示でした。
猫を描くことでスタートした作家の道ですが、近年は広く俯瞰し様々な生き物がモチーフになってきています。
そんな創作活動の中、生体を扱っている場での動物モチーフの展示は本当のバカでない限りそれなりの覚悟があって然るべきだと思います。
ただ、「猫ちゃん、珍しいでしょ?かわいいでしょ?楽しいでしょ?ついでに私の絵を買って下さいよ!」じゃ、一応作家と名乗ってるくせにさもし過ぎですよね…。
人の手がはいっている「純血種」と言われる種の生体、現生の野生の生き物、滅んでしまった過去の生き物、人為的に保護しなければ自然淘汰されてしまう種 うんぬん…の絵画。
生体、絵画と入り混じりった空間の展示を見て頂く事がなにかしらの区別や差別や偏見が薄まり、想像力を広げ物事を決めつけず様々な理解に繋がってくれればと。
そんな想いで展示をしました。
オーナーが「猫では無く、好きなように展示をして」と言って下さらなければ展示は丁重にお断りさせて頂いていたと思います。
人間が人間以外の生き物との関わり方、広げて言ってしまえば自然との関わり方 も詰まる所は人間の都合になってしまうのも当然だと僕は思っています。
私達も類人猿の一種ですし、他を淘汰して種を存続させていきます。
ただ、ちょいとばかし悪知恵が働くので色々しでかしまくっている私達ヒトは、もう少しフェアな生存競争をしても良いのではないかと。
なるだけ区別、差別をを無くし、意固地になりすぎず、もう少しどうにかね…。
そんな想いでやらせて頂いた展示ですが、うまくいったかどうかなんて正直全く分かりませんが、僕の拙い作品に囲まれながら猫を抱きつつ、相変わらずの下手くそな解説に耳を傾けて下さった皆様に心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
今回の展示のメインのつもりだった作品
「間違いの楽園」〜収斂の旅〜
収斂進化というとっかかりからスタートした絵です。収斂進化というのは、生物的分類は違うルートでも生活環境や役割によってとても似たような形に進化する事です。
例えば画面左のフクロオオカミと狼、前者は有袋類、後者は哺乳類。そもそものルーツがまるで違います。でもそれぞれの生息地では捕食者としての役割からとても似ています。
ルーツが違おうが一緒だろうが似てるものは似てきます。似てないものは似ていません。
イワダヌキなんかマーモットみたいだけどサイと一緒の奇蹄目です。マヌルネコだってとレッサーパンダの赤ちゃんなんか関係ないのに似ています。ロリスとナマケモノだって似ています。ナマケモノとマレーグマだって似ています。
そうして繋げていくと分類、区分けもなんだかどうでも良くなっていき、優越なんかフラットになりなんだかよく分からなくなります。
色々なことがどうでもよくなります。
そもそも塩分の強いピンクの湖にこれらの子達か入れるはずなんかありません。
「間違いの楽園」ではそんなことはどうでもよく、とにかく楽園なんです。
因みに「間違いの楽園」は今回は引き取り手がいませんでした。
ま、そんなこともどうでも良いやと思いきや、
懐事情的にはやはり収まるところに収まって欲しいものです。